Asanaワークフローの作成と使用

ワークフローを用いることで、それぞれのメンバーが必要な情報を最適なタイミングで入手できるようになります。では、チームに実際にワークフローを導入するにはどうしたらよいのでしょうか?

この記事では、ワークフローの作成方法および実行方法の基礎となる部分を、具体的な例を交えて、1からご説明します。 ここで例に挙げるデザインチームは、他のチームから引き受ける複雑な仕事リクエストを適切な担当者に自動で割り当てることで、作業の効率化を図りたいと考えています。 適任者への割り当てや、進行途中での適切なコラボレーターの追加など、仕事はさまざまな段階を経て進んでいきます。素晴らしいことに、ワークフロービルダーでこうした作業をセットアップすることで、手動入力を最小限に済ませることができます。

ワークフローのセットアップ

デザインチームが、リクエストの受け付け方を効率化し、適任者に適切なタイミングで仕事を割り当てるためのワークフローのセットアップが必要であると判断したとします。 ここでワークフロービルダー機能を利用します。 ワークフロービルダーは既存のプロジェクトで使用することも、新規プロジェクトの作成時にセットアップすることもできます。

screenshot_title

デザインチームの

Alanさんは、チームが受け取るクリエイティブリクエスト用の新規プロジェクトを立ち上げています。 プロジェクト名を入力して、プロジェクトのプライバシー設定を済ませたら、開始方法のオプションから「ワークフローをセットアップ」を選択します。

プロジェクトにはどのようなステージ(セクション)を設定しますか?」という質問が表示されると、 チームが仕事を進める中で経由するいくつかのセクションを設定することにしました。 ここで選んだセクションは、「受け付け」「進行中/アクティブ」「レビューと承認「完了」です。

Alanさんがこれらのセクションを選んだ理由については、後ほど詳しくご説明します(先に確認したい場合はこちらをクリックしてスキップできます)。

セクションの選択後すぐに、ワークフロービルダー上で「このプロジェクトにはタスクをどのように追加しますか?」という質問が表示されます。 こうした種類のプロジェクトは他のチームからリクエストを受け付けるために使用されるもので、質問にはいくつかの回答オプションが提供されます。しかしAlanさんは、他チームのメンバーがチームに対して仕事をリクエストする際に、フォームに入力してほしいと考えています。 フォームを利用することで、チームはリクエストへの対応を開始する際に、必要な情報をすべて確実に取得できるようになります。 Alanさんは「フォームの送信」を選択します。 プロジェクトの種類に応じて、選択すべき受け付け手段も異なるかもしれません。

なお、セットアップの時点でフォームが完成している必要はありません。ワークフロービルダーを用いて、必要になった際に、他のページに移動することなく即座に作成できます。 Alanさんは、チームが受けた異なるタイプのリクエストを割り当てる際に、カスタムフィールドとルールを活用したいと考えています。この場合、フォームは理想的な手段となります。 たとえば写真撮影をリクエストする場合、リクエストの送信者はフォームの質問に対して「写真撮影(Photography )」を選択します。 フォームの入力が完了するとタスクが作成され、カスタムフィールド「リクエストタイプ(Request type )」において自動的に「写真撮影」オプションが選択されます。その時点でルールが実行されます。

カスタムフィールドの「リクエストタイプ」も同様に、ワークフロービルダーの使用開始時点、フォームの作成時点で完成している必要はありません。 フォームの作成中にリクエストタイプを設定できるため、セットアップの流れが中断することは一切ありません。 フォームが完成すると、写真撮影や動画制作、クリエイティブコピー制作のリクエストが常に適切なメンバーに割り当てられるようになります。この際、手動によるタスクの割り当ては一切必要なく、安心してすべてフォームに任せることができます。 これは、Asana Businessサブスクリプションで利用できるフォームのブランチング(分岐)ロジックの大きなメリットです。

このようにプロセスを自動化すると大幅に時間を節約できますが、同僚がリクエストを送信する前に話し合いを必要とすることもあります。そのため、Alanさんは「不明点について話し合いたい(I don 't know, let' s talk !)」オプションを含めて、タスクを直接自分に割り当てるようにしました。 これらのタスクについては、フォームの送信者とリクエストについて話し合い、コンテキスト(背景情報)をすべて把握した上でトリアージできます。 時にはリクエストが通常の型にはまらないこともあり、その場合は取り組む前にちょっとした話し合いが必要になるため、このオプションは有用です。

仕事の受け付け

 

フォームの送信者によってフォームが入力されると、「クリエイティブ制作リクエスト(Creative Production Requests )」プロジェクトにタスクが生成されます。このタスクには、Alanのチームが仕事を完了するために必要となるすべての情報が含まれます。 前述したとおり、フォームの送信によって生成されるタスクは、Alanさんが設定した質問事項に基づき、該当するカスタムフィールドの値を取得します。写真撮影のリクエストの場合は、「写真撮影」というカスタムフィールド値を取得します。

screenshot_title

タスクの優先順位付け

 

Alanさんは、カスタムフィールドに「写真撮影」という値が設定された際にトリガーされるルールも作成しました。 このルールによって実行されるアクションは、サブタスクを作成し、チームの写真撮影リクエストに対応するJamieさんに割り当てるというものです。 Jamieさんはこうした種類のリクエストの対応に3週間の期間を必要とするため、Alanさんはそれに従い期日を21日後に設定します。

フォームの送信者は、Jamieさんが必要とするであろうスクリーンショット、画像、その他のファイルをフォームの入力時に追加できます。 そうすることで、Jamieさんは送信者との確認作業のために時間をかけることなく、自分に与えられた仕事に集中できるようになります。また、確認作業が必要になった場合でも、送信者がコラボレーターとして自動で追加されるため、いつでもやり取りできます。コラボレーターには、タスクの進捗更新が受信トレイで通知され、送信者とJamieさんの両者ともに、必要に応じてコメント欄で仕事について話し合えます。

Jamieさんは、画像のアップロード後に数クリックでカスタムフィールドを操作し、法務チームをサブタスク経由で追加してアセットの確認を依頼します。

screenshot_title

進捗の見える化

Alanさんはワークフロービルダーを使用して、カスタムフィールド「法務による確認(Legal review )」が「確認待ち(Ready for Legal review )」ステータスに変更され次第、承認リクエストのサブタスクを作成して法務チームのSophieさんに割り当てるように設定しています。そのため、Jamieさんは手動によるタスクの作成や割り当てを行う必要が一切ありません。 したがって、Sophieさんは3週間の写真撮影および制作プロセスに巻き込まれる必要はなく、自分の専門スキルが求められた際にだけ対応すれば済みます。 もちろん、サブタスクの期日は自動的に7日後に設定されます。

同様に、Sophieさんはサブタスクを完了すると「法務による確認」の値を「法務によって確認済み(Legal review complete )」に変更します。 この時点で、すでに多くのメンバーがこのタスクに取り組んでいますが、Sophieからすれば、承認リクエストのサブタスクにのみ目を向けて、承認する、却下する、または変更をリクエストして差し戻すだけでよいのです。

screenshot_title

アセットが完成し、Sophieさんによる法務的視点に基づく承認が下りたと

仮定しましょう。 Alanさんはワークフロービルダーを使用し、親タスクを完了して「完了」セクションへ移動し、送信者に割り当てて通知するためのルールを設定しました。担当者への通知は、ルールの変数を使用することで自動的かつ正確に実行されます。

仕事は完了し、リクエストの送信者に通知が送信されました。Alanさんが行ったのは最初にワークフロービルダーを使用して自分のプロジェクトを立ち上げる作業だけでしたが、手動による割り当てや作成を一切行わずにクリエイティブアセットのリクエスト対応を最後まで進行させることができました。

それでは、Alanさんがプロジェクトのセクションをどのようにセットアップしたのかについて、詳しく説明してきます。

セクションの選択

プロジェクトにはどのようなステージ(セクション)を設定しますか?」という質問が表示されると、 チームが仕事を進める中で経由するいくつかのセクションを設定することにしました。 ここで選んだセクションは、「受け付け」「進行中/アクティブ」「レビューと承認「完了」です。

Alanさんがこれらのセクションを選んだ理由は以下にあります。

受け付け

Alanさんはワークフロービルダーを使用してチームの仕事の割り当てを自動化していますが、プロジェクトのリストビューの最上部に同僚が手動でタスクを追加できるセクションを設け、ルールがトリガーされることなく仕事の詳細について話し合えるようにもしたいと考えています。 プロジェクトへのアクセス権を持ったメンバーであれば誰でもタスクを手動で追加できるため、準備が完了していない状態で仕事が自動的に割り当てられることがないように設定できます。

screenshot_title

また

このセクションは、必要なクリエイティブアセットの種類について尋ねられたときに、リクエストの送信者が「不明な点について話し合いましょう!」を選択したフォームをすべて受け付けるように設計されています。 前述のとおり、このセクションは単に不確定要素を含むタスクを受け入れて、まずはメンバー間で話し合ってから手動で割り当てることを目的としたものです。

 

進行中/アクティブ

このセクションには、現在Alanさんのチームが引き受けているすべての仕事が取り込まれるため、チームは取り組んでいる仕事の全体像を明確に把握できます。 タスクがこのセクションにあれば、まだ進行中だとわかります。Alanさんや同僚は、サブタスクやカスタムフィールドの値を確認し、タスクの進捗を把握できます。

screenshot_title

クリエイティブリクエストフォームを通じてプロジェクトに取り込まれたクリエイティブリクエストは、最初にこのセクションに表示され、Alanさんがワークフロービルダーでセットアップしたルールをトリガーします。 フォームの送信者が選択した内容に応じて、特定の担当者およびカスタムフィールド値(すべて事前に定義されたもの)を含むさまざまなサブタスクが追加されます。

Alanさんのチームは、プロジェクト内の「進行中/アクティブ」以外のいずれのセクションも確認する必要がありません。 タスクが「受け付け」セクションにある場合は、Alanさんが対応していることを意味します。 タスクが「確認と承認」セクションにある場合は、作業は完了しており、現在アセットが法務チームのもとにあることを意味しています。

 

確認と承認

Alanさんのチームがクリエイティブリクエストを完了したら、アセットの確認を受けます。

screenshot_title

この

場合、チームは常に法務チームのSophieさんから承認を得ることになります。Alanさんは、アセットの完成後すぐに承認リクエストのサブタスクがSophieさんに割り当てられるよう、ルールをセットアップしました。 これにより、Sophieさんは1つのカスタムフィールド値を変更するだけで、タスクを次のステージに進めることができます。

 

完了:

プロジェクトによっては完了済みのタスクが表示されないようにする必要がありますが、Alanさんのチームは完了済みタスクの表示がデフォルトで維持される状態を望んでいます。 そこで、完了済みタスクを「完了」セクションに自動で移動するルールをセットアップしました。 セクションがスペースを取りすぎる場合は、セクションを折り畳むことでプロジェクトをすっきりと保ち、また必要に応じていつでも展開できます。

screenshot_title

また、

Alanさんが作成したルールは、アセットをリクエストした本人であるタスク作成者にタスクを割り当てるように設定されています。 さらに、ルールの変数を使用することで、手入力なしでアーカイブが実行されるようになっています。